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[退院後の環境調整]安全であるが、チャレンジ要素も残った環境設定
退院直後に行う在宅でのリハビリテーションの目的は、退院時の身体状況のアセスメント→身体状況に合った自宅内環境の設定→チェック→再調整がメインとなります。
リハビリテーションと言えば機能訓練というイメージがありますが、退院後は特に身体状況と生活環境の相性を良くして生活環境の適合させることを優先します。
入院前と退院後は身体機能・能力は変わっている
疾患にもよりますが入院前後で身体機能・能力は変わります。それに合わせて生活環境も変えるべきなのですが、退院前の家屋調査等が実施されていないケースでは環境が入院前と同じままであることが良くあります。また家屋調査が実施され、その内容に基づいて家屋調整が済んでいる場合でも、実際にその環境で生活しているわけではないので、実際生活してみると思っていたのと違ったというパターンも良くあります。
退院直後のリハビリテーションでは、入院によって変化が生じた身体機能、能力に合った生活環境の設定を行います。
過ごしやすい環境設定は経験を奪う?
安全第一を優先した環境設定では、段差を無くし、立ち上がりやすいように椅子の高さを高くしたり、床で寝ていた場合はベッドを導入したり、トイレや風呂場には立ち上がりやすいように手すりを設置する。一般的にはこのように安全に過ごしやすいように環境調整をします。
一方で過度に安全に配慮した環境設定を行うことは、その方の経験を奪うリスクもあります。
アセスメントに応じた環境設定の重要性
この間まで自転車の補助輪つけてた子供が自走する瞬間をイメージしてください!
お父さん(べつにお母さんでも良いです)が自転車を後ろから押し、子供は一生懸命ペダルをこいでいます。お父さんは支えている自転車を離しては持って、離しては持ってを繰り返しながら、完全に離せるタイミングを見計らいます。その間子供は夢中にペダルを漕いでいます。あるタイミングでお父さんは支えていた手をパッと離します。離されたことに気づかない子供は夢中にペダルを漕ぎ続けます。こんな感じで子供は自転車の自走を獲得します。
自力で出来るか出来ないかギリギリの課題設定の中で出来ないことができるようになっていきます。この課題設定が難しすぎても簡単すぎてもダメで、ギリギリのラインを見つけることがめちゃくちゃ重要で、そのギリギリのラインを見極めるためにもリハビリテーションのアセスメントは重要だと思います。
生活環境設定に置き換えて考えると、身体機能のアセスメントに基づいて出来るだけギリギリ出来るラインでチャレンジする機会を環境の中に残すことは重要であると思います。立ち上がりやすいように手すりをつけたり、椅子を高くしたり、ベッドを導入したりすることがルーティーンにならないように、その方の身体状況に基づいて、「安全ではあるが、チヤレンジの要素も残った環境設定」が大切です!!
退院直後のリハビリテーションの重要性[一時的でも良い]
退院後は特に環境に馴染む大切な時期です。言い換えれば馴染んでない時期に転倒は増えます。軌道に乗るまでの間がめちゃくちゃ重要だと考えています。
環境の変化、運動機会の変化入院→退院のこのタイミングに様々な変化が訪れます。退院直後の介入はこの変化になじませる時期で、馴染んだ後の訪問とは若干違いがあります。一時的でも短期的でも良い、馴染めば卒業でも良いので、この時期の介入が大切です!!アセスメント→環境設定→チェック→再調整です!!