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「出来なくなる」に寄り添うこと
お久しぶりです!!!!クリオ訪問看護・リハビリステーション井芹です。
今回の食事会を通して感じたことを書いてみたいと思います。
私は学校卒業後理学療法士として約7年間病院で勤務していました。そのうち3年程度は回復期リハビリテーション病棟で在宅復帰支援を行なっていました。限られた入院期間の中で歩けなくなった方をもう一度歩けるように、食べれなくなった人をもう一度食べれるように、入院した人を家に帰せるように、
そこでは「出来ない→出来る」を目標とした支援を行なっていました。「在宅復帰」というはっきりとした、そして患者と支援側との間でわかりやすい前向きな共通した目標がありました。
一方で人は加齢とともに次第に出来ていたことが出来なくなっていきます。特に在宅の場面において「家で最期まで過ごす」を支援する際には様々な場面で「出来る→出来ない」がやってきます。
例えば歩けていたのに歩けなくなった。食べれていたのに食べれなくなった。覚えれていたのに覚えられなくなった。様々な場面で出来なくなる場面に遭遇します。
その「出来なくなった」という波がやってきた際に、その波に真っ向から立ち向かうことはもちろん大切ですが、同時に出来なくなることに寄り添うこともまた大切なんだと在宅の現場で多く感じます。このようなことを言うと人によっては良くなる事を諦めるのかと思う方もいます。
でも最近思うわけです。そもそもその方にとって良くなるとは何なんでしょうか。
そこを間違っちゃうとまずいと思うわけです。各専門職種の色眼鏡を外した状態で、その人にとって良くなるとは何なのか感じ取ることから「出来なくなる」に寄り添うことは始まるんだと思います。
ご利用者が口にする「歩きたい」「食べたい」その言葉の先に何があるのか、言葉の奥にある言葉にはならない想いを感じ取ろうとする事がおそらく出来なくなるに寄り添う唯一の方法なのではないかと思います。
むしろ1ミリでもそこを感じ取れた瞬間「出来なくなる」が「出来なくなる」ではなくなり、新しい「出来る・出来た」が生まれてくるような気がします。
今回の食事会を通してそのようなことを感じました。
「食事」に一文字「会」を加える。それだけでこんなにもポジティブな出来事に変わるんやなーと思いました。おそらくそんな感じで「出来なくなる」と「出来る」はすごく近いところにあるような気がします。
そこを十分にわかった上でご利用者・ご家族と共に真っ向勝負していきたいと思います。