BLOGスタッフブログ
在宅での看取り 〜最期の旅行「富士山が見たい」〜
紫陽花の咲く季節 その方は旅立たれました。
病名:肺癌(在宅酸素使用中)
御本人:「富士山が見たい」
在宅医:「今の状態では旅行をすることはおすすめ出来ませんが、それを否定する事も出来ません」
御家族は全てを受け止め一泊二日の旅行を決意されました。
その希望に向かい医療チームが体制を整えました。
・バックアップ病院…明舞中央病院
〜体調悪化時の受け入れ体制(24時間)〜
・在宅医…明舞中央病院 元原Dr
〜旅行前後に往診され薬の調整・体調管理〜
・在宅酸素…株式会社まんぼう(神戸酸素)
〜旅館に在宅酸素(HOT)設置と使用済みの酸素ボンベと帰宅用の酸素ボンベとを交換〜
・クリオ訪問看護リハビリステーション
〜旅行中の体調相談等いつでも連絡いただけるようサポート〜
旅行を決めた瞬間、満面の笑顔。
体調はめざましく安定されました。
QOL、”希望”という心の輝きが、症状緩和に大きく繋がる事を痛感しました。
旅行から無事帰られ「幸せな時間を過ごす事が出来ました。」
御家族の言葉が心に響きました。
8日後旅行の思い出を抱え、その方は永眠されました。
御家族はいつも「私に出来る事は他にありませんか?」と担当看護師に尋ねられていました。
「もう充分ですよ。あとは私たちに任せて下さいね。」担当看護師の言葉です。
その会話に信頼という言葉のあたたかさが伝わります。
〜「らしさ」に寄り添い「らしく」を支える〜
御本人、御家族の望みに寄り添うために在宅医療チームが心ひとつになり実現できる事。
それが在宅看護の素晴らしい力だと思います。
そのチームの一員に私たちが関わらさせていただけた事を感謝いたします。
最期を支えられた御家族に敬意を示すとともにチームの皆様に感謝の気持ちで一杯です。
明舞中央病院 元原先生・スタッフの皆様
在宅酸素 株式会社まんぼう様
クリオケアプランニング 伊崎CM
本当にありがとうございました。