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脳血管障害後遺症[装具の適合性不良]
脳血管障害後遺症をお持ちの在宅療養者のうち、入院時に作成した装具の適合性が悪くなっている方が結構な割合でいるような気がします。
多くの方はAFOと呼ばれる短下肢装具を作成していることが多いのですが、この装具麻痺側の脚を安定性させたり、歩いている際に脚を降り出しやすくすつ役割があります。結構大切な装具なんです。
適合性が悪くなる要因は色々ありますが、
・拘縮
・筋萎縮
の影響から適合性不良になることがよくあります。
拘縮とは関節包の外側にある軟部組織が硬くなって関節の可動域制限が生じてしまう状態。特に下肢の筋肉の緊張が高くなっている方が生じやすいです。
筋萎縮とは字の通り筋肉が萎縮してしまった状態。短下肢装具ではふくらはぎの筋肉の萎縮が生じると装具の固定制が乏しくなりグラグラと不安定になります。
私たちが外を歩く際に靴を履くそれと同じように麻痺のある方にとって装具は重要で、足に合った靴のサイズが大切なように、装具の適合性は非常に重要です。
適合性不良は転倒の原因(転倒が問題なのではなく転倒によって生じる怪我が問題。脳血管障害後遺症のある方の骨折は普通の骨折の夜毎は全然違います)になったり。別の関節(膝、股関節、腰)の疼痛の原因に繋がったりもします。
この適合性の確認は
・実際に装着して確認する
・装着して動作を行なってもらい確認する
ことが大切です。一見上手くフィッティングしているように見えても、動作上では合ってないと言うことがあります。これは作成した時の身体機能が変わった(良くなっても、悪くなっても)ことによって動作上では当時作成した装具が時代遅れになってる状態です。ご本人は毎日装着していますのでその変化に気づけないことがほとんどです。ですのでこの適合性が悪くなった状態をなるべく早く見極めることも在宅で働くリハビリテーション職種の役割です。これによって防げる転倒や怪我が多くあります。
脳血管障害後遺症のかたで装具を使用しており、退院後の在宅生活がスタートして1年以上経過した方については一度専門家の目で適合性を確認してもらうのが良いかもしれません。身体にバッチリとフィットした装具はご本人様の持っている力を最大限引き出してくれます!!